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書籍の価値 [読書・映画]

小説を読むのが好きです。

最初から好きだったわけじゃなく、むしろ本は嫌いでした。
小学生の頃は児童書が大好きでしょっちゅう図書館に行ってたんですが
中学生あたりからはさっぱり。
読書感想文の宿題のために嫌々読むだけでした。

それが、大学に入って電車通学が始まり、
電車に乗っている間ヒマだなぁと思ったのがきっかけでまた本を読み始めました。
小説好きの友達の影響もあった。
それからは活字中毒。カバンの中にはいつも文庫本。


私が読む小説はすべて文庫です。
電車の中や何かの待ち時間など小説を読む場所は出先がほとんどなので、
ハードカバーだと重くて邪魔なんです。
文庫ならスッと取り出せていつでも読めるのがいい。

入手方法はいつも書店。
店内をプラプラしながら気に入ったものを見つけて買います。
この「プラプラ」の時間が幸せ。
だいたい5冊程度、値段にして3000円くらいをまとめ買いするのですが、
そのお買い上げのときが幸せ。
なんていうか、とても満ち足りた気分になる。

買うのは全て新品。
これ、こだわり。
古本は借りて読むなら全然まったく問題ないんですが、
何故か自分でお金を出して買うときは新品じゃないと嫌なんです。
自分の手元に残すことを考えるからなのかなぁ。
古本ってどうもうっと手元に置いておく気がしなくて、
もらったりとかしても必ず最後は売っちゃうからね。
古本で読んですごく気に入ったら新品を買っちゃうし。
新品の本を手に入れて初めて、自分のものになった感じがする。


将来書籍はすべて電子になるとか言っている人がいますが、
ほんと、やめてほしい。
楽しみがなくなっちゃうじゃないの。
本は実際に手にとって選びたい。ネット通販で見てもつまらない。
そしてページをめくって読みたい。
いくらページめくりがホンモノの本そっくりでも、●Padじゃダメ。
確かにすごい。あれはすごい。
でもそんなものはデジタル機器に求めてない。
たまには良くてもいつもは嫌。


でも書籍の電子化説は現実を考えると、ってことなんですよね。
インターネットの普及等で書籍の売り上げは右肩下がりだから。
それは分かってます。
個人的に本屋はなくなってほしくないけど、
そういう現実を考えると電子化もやむを得ないかなと思います。

新品ばっかり買うのはその辺も理由にある気がします。
書籍の売り上げに貢献。
需要あるよ!っていうささやかなアピール?のような。


でも時々考えます。
1冊の本を繰り返し読む「古本」と、書籍の消費量を増やす「新品買い」と、
どっちが「本」のためになってるんだろう。
出版業界という意味では後者だろうけど、
書籍そのものという意味では前者なんだろうなぁって思います。


少し前にやっていた、某大手古本屋のテレビCMが印象的でした。

「本を読めとは教わったけど
  本を捨てるなとは誰も教えてくれなかった。」

そうだなぁ。って思った。
本はただの紙の塊とは違うもの。
言葉が詰まっていたら、
それは命が吹き込まれているのと同じようなものだと思うのです。
1冊の本がいろんな人の手に渡っていろんな人が読む。
ボロボロになるまで。
自分が本だったら、これぞ冥利に尽きるって思うんだろうなぁと思います。


そう思ってこの前、古本屋に立ち寄ってみたんだけど、不思議ですね。
やっぱり買う気がしないんだな。
そこまで頭で分かってるのに何故なのか不思議なんだけど、
やっぱり買うなら新品のものを買わないと、って、どうしても思ってしまう。
何というか、それが自分にとっては
本に対して敬意を表す行為のように思えてならなくなっちゃう。

まぁいいや。
それが私なりの誠意だと思うようにしよう。
そういうことで一応納得。


そういえば最近、読まなくなった本をまとめて古本屋に売りに行った。
持って行った本は色々だったんですが、
新品同様の本でも、
作家も作品も無名な本(失礼だけど内容も良くなかった)には
全く値段がつかなかった。
でも、昔売れた作品だけど本自体古くて
紙も黄ばんでいるような本には値段がついた。

何か、安心しました。

本の値段は冊子のクオリティじゃないよね。
チェーン店とはいえ、さすがは古本屋。
分かっていらっしゃる。
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