[小説] 青鳥 (ヒキタクニオ) [読書・映画]
最近更新サボってましたが、またブログ再開。
日本の広告代理店で働く、台湾人の女性が主人公。
といっても、働く外国人のストーリーという感じはほとんどなく、
仕事はできるけどまだまだ若い会社員のストーリーって感じ。
会社という場所は、
いつも自分の思い通りに仕事ができるわけではないし、
自分の力や経験だけではどうにもならないことがゴロゴロしているところ。
自分と合わない人と一緒に仕事しなきゃいけないときもあるし、
自分と合わない客を相手にしなきゃいけないときもあるし、
納得いかない仕事をしなきゃいけないときだってあるし、
仕事は最高だけど、自分に納得いかないことだってある。
悔しい思いもたくさん。
惨めな思いもたくさん。
自信をなくすこともたくさん。
泣きたいときだって、
投げ出したくなることだって、
虚しくなることだって、
たくさん、たくさん、たくさん。
主人公はプロジェクトをまとめるリーダー的なポジションで仕事をしていて、
仕事へのこだわりもプライドもきっちり持ってる。
でも、挫折する。
誰かに助けてもらう。
一緒に頑張る。
成し遂げる。
自分が今置かれている状況に重なる部分が、もう、それはそれは多くて、
共感できる分、勇気づけられもしたし、
自分の仕事ぶりを思ってどんよりした気持ちにもなった。
この人の小説はいつもそうだけど、主人公の心情がすごくリアルで
ついつい感情移入してしまう。
ドラマチックでも何でもないよくある出来事って、
「よくあること」だけども「どうでもいいこと」ではないんだよね。
でも、そんなことに振り回されちゃうその感じ。
気にしなければいいのに、何か思ってしまうその感じ。
仕方ないよね、って言っておけばいいのに、固執してしまうその感じ。
わかるわぁ。
うまくいかないことにどう折り合いをつけるかが、
社会を生き抜くコツなんだよね。
うまくやるんじゃなくて、うまく折り合いをつける。
これだぁー。これだよ。
もう少し早くこの本を読んでおけばよかったなあと思った。
頑張れ、働く若者たち。
頑張れ、私。
2012-07-22 14:28
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